島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

今さら聞けない「ピックの基礎知識」厚さ・形状・材質の違いって?

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「ピック」は、ギターやベースなどの楽器を弾く際には必須のアイテム!

楽器店には、何十種類にも及ぶピックが並んでいますよね。厚さ、形状、素材など種類も豊富ですし、アーティスト・モデルも多数ありますよね。その中から自分に合ったピックを選ぶことって、ビギナーの方は特に難しいと思うんです。

「ピックなんてなんでもいい」って思う方もいるかもしれませんが、に直接ニュアンスが伝わるピックこそこだわり、自分に最適なピックを改めて考えてみませんか?
まずは、きっかけとして

  • 自分の好きなアーティストが使用しているピック
  • アーティストモデルのピック
  • プレイヤーの使用頻度が高いピックや人気のピック

など、いろいろなピックを試してみることも大事ですよね。

ただ、自分で選んだピックは、本当に自分に合ってるのか・・・。悩んでしまう、なんて方もいるかと思います。
ビギナーの方はもちろん、改めてピックに関心を持ってみようと思ってる方、これから書いていくことを参考にしてみてはいかがでしょうか。

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2015年春 弦楽器ヨーロッパ買い付け日記 3月7日号 その1

春はあけぼの。

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モンソー公園で咲いてゐる桜らしきもの、いとおかし。

時差ボケ解消とメタボ解消のため、筆者は早朝から宿泊先近くのモンソー公園内をジョギングです(笑)

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フランス人はランニング大好き。

皆様Bonjour!
どーも島村楽器楽器アドバイザーの糸山です。

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トルテがよく釣りをしていたというセーヌ川に架かる橋からの風景。 

仕事前に朝食をと、ブラッスリーの新規開拓でブラブラと辺りを徘徊していましたところ、今日は土曜日なのでマルシェ(市場)が開催されてました!

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八百屋さんは未だ準備中。

マルシェは土曜日の午前中に行われていることが多く、野菜、ハム、チーズなどの生産者が直接お店を出しています。

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こちらはお肉屋さん。様々なハム、ソーセージ、サラミがずらり。全て試食してみたい。

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チーズ屋さんからは複雑な発酵した香りが漂っていました。

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魚屋さんも!意外と種類が多くてびっくりしました。

色とりどりの食材、お店の人とお客さんのやりとりを眺めているだけで楽しめます。

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クレープを焼く鉄板で鼻歌を歌いながら軽快に調理するお兄さん。カタトコのフランス語で注文したら、流暢な日本語で返事が返ってきました(笑)

屋台の芳しい匂いに導かれ、今日はこのフランス版お好み焼きのような食べ物を朝食としました。

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じゃがいもと玉ねぎ、チーズのガレット 2.50€

え?、肝心のオールドバイオリンはどーしたんだって?(ドキッ…)

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選定中のオールドバイオリンたち。1750年~1820年頃に製作された楽器をターゲットにリサーチしました。

『マイスター茂木も歩けばオールドバイオリンに当たる』ほど、そんなにこの世界は甘くはありません(笑)

当社の基準を満たす、音が良くて、コンディションの良いオールドバイオリンを見つけるには、2班に別れてローリングした昨日の午後だけでは完結しませんでした。

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試奏前の調中。ちょっとお顔に疲れが見え始めたマイスター茂木。

一晩冷静に考えて、目星をつけたいくつかのオールドバイオリンをもう一度見に行くため、筆者と間藤はパリのアトリエを再訪問しました。

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カフェオレを片手に地下鉄を待つマドモアゼル間藤。手ぶらで玄界灘は越えられません。

一方、マイスター茂木とバイオリンインストラクター中の班は、オールド弓を求めて、一路ベルギー・ブリュッセルへと旅立ちました。

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ベルギー・ブリュッセルの老舗Maison Bernardの前にて。このお話は、後日マイスター茂木よりブログにてご報告致します!

さて、パリに残った筆者と間藤がまず最初に訪れたのは、Guy Coquoz氏のアトリエです。

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アトリエの1階に並んでいるフランス新作楽器コーナー。

ココズ氏はフランチェスコ・ビソロッティ氏とジオバッタ・モラッシー氏のもとで学び、イタリア各地でバイオリン製作を行なっておりました。その後、フランスへ移りBaroco氏と10年間アトリエを共同経営したのちに、パートナーシップを解消し独立。今ではRue de Romeで最も重要なアトリエのひとつです。

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同じく1階にある高級品コーナー。フランスものからイタリア、ドイツまでの良い品が並んでいる。

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地下室に並べられている1900年代前後のモダンバイオリンたち。フランスの作品が多い。

選定の流れとしては、まずは徹底的に弾いてみることから始まります。その後、こちらが考えている音のイメージと合致する、手応えのあった作品に絞り込み、楽器を検品をしてゆきます。

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ココズ工房のレセプショニストとして勤務するOrlando Faneite氏。自身もプロのヴァイオリニストとして活動している。

検品の際に見るべき箇所は、響板の割れ、過去の修理痕、修復方法、修理箇所の数、修理場所を内側から検査します。音が良くても、魂柱に修理痕があるなどして諦めた楽器が沢山ございます。

古い楽器はどんなに音が良くてお買い得なものでも、お客様へお売りした後にご迷惑のかかるトラブルが起こることがないように、正確な情報を集め、細心の注意と冷静な判断力が求められます。

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一緒に最終検品を手伝って下さるココズ氏。彼の確かな見識と誠実な人柄には、世界中のミュージシャンからの信頼も厚い。

それでは、ココズ氏の工房にて今回入手しました2本のオールドバイオリンをご紹介します!

Ficker, Markneukirhen, ca1750, certificate by Guy Coquoz

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フィッカーはドイツ・マルクノイキルフェンで18世紀に最盛期を迎えファミリーとして結実したメーカー。作品のスタイルはオーストリアの歴史的名器ヤコブ・シュタイナーに影響を受けており、本作品もその影響が充分に見て取れる風格のある逸品です。小ぶりな見た目とは裏腹に、抜けの良さと重厚な音質が魅力的です。ボディサイズ353mm。

Thouvenel, Mirecout, ca1820, certificate by Guy Coquoz

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こちらも18世紀のフランス・ミレクールを代表するトゥーヴェネル・ファミリーの作品。木材は素晴らしいピュアスプルースと美しくゴージャスなメイプルに、ゴールデン・ブラウンのバーニッシュを纏ったています。艶感と芳醇に籠った豊かな音色は、まさにオールドフレンチバイオリンの世界へと誘います。

次号では、幸運にも「オールドバイオリン祭り」となりました今回の成果をご紹介。オールドバイオリンをさらに2本、ご案内致します!

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夕刻のセーヌ川の風景。

それでは今回はこの辺で。

Au revoir!

今回買い付けた楽器は、楽器フェスタでお披露目します

今回マイスター茂木と糸山が買い付けを行った楽器は、5月〜7月各地(新宿・横浜みなとみらい・大阪・福岡・船橋・仙台泉・札幌・レイクタウン・広島)の島村楽器で開催される、島村楽器楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
楽器フェスタページもあわせてご覧ください。

2015年春 楽器ヨーロッパ買い付け日記はこちら








2015年春 弦楽器ヨーロッパ買い付け日記 3月6日号 その2

皆様Bonjour!
どーも島村楽器楽器アドバイザーの糸山です。

まさかのガルネリの登場に、約束の時間から1時間も遅れてしまった一行は、急いでRue de Romeの楽器街から離れ、およそ3km離れた次なる目的地へと移動します。

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緩やかな長い坂道が続くRue Rodier通りの風景

それでは、本日2件目となる素晴らしいルチアをご紹介致します。
弓職人、ムッシュ・エマニュエル・カリエール氏です!

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2015年春 弦楽器ヨーロッパ買い付け日記 3月6日号 その1

皆様Bonjour!

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Rue de Romaの巷で噂の(?)、 筆者に似ていると云う年代物のスクロールの習作…。

どーも、島村楽器楽器アドバイザーの糸山です。

パリ買い付けでの小さな幸せ。
それは、朝のクロワッサンとカフェオレに間違いありません(笑)

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パリのブラッスリーの朝は早い。

ホテルには朝食がつかないため、パリ買い付けでは、毎朝就業前にパン屋さんでクロワッサンを摂るのが暗黙のルールと言いますか、買い付けチームの慣習となっております。

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  1. クロックムッシュが加わっている事実には触れないで下さい(笑)

それでは、朝からたらふく食べたところで、本日の1件目をご紹介致します。パリのレストレーションにおける名工、ムッシュ・ピエール・カラドゥー氏です!

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2015年春 弦楽器ヨーロッパ買い付け日記 3月5日号

皆様Bonjour!
どーもご無沙汰しております。島村楽器楽器アドバイザーの糸山です。いつもありがとうございます!

本日より2015年春の楽器買い付けの旅がスタートし、最初の目的地フランス:パリへと入りました。

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シャルル・ド・ゴール空港にてエグザイル風に。右・マイスター茂木、中央・福岡イムズ店間藤、左・札幌クラシック店バイオリンインストラクター中(なか)

今回はこのメンバーで張り切ってお届け致します。今年の春の買い付けは、フランス、ベルギー、イタリア、チェコの4ヶ国を10日間で一気に駆け回ってゆく行程です。
その様子を現地からレポートして参りますので、ご愛読頂けたら大変光栄です。最後までお付き合いのほど、どうぞ宜しくお願い致します。

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