島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

ルシアー駒木のギターよもやま話 その123「工房で楽器とだけ向き合っていては分からない事」

皆様こんにちは!

最近急速に髪の毛が細くなり、ミノキシジルをがぶ飲みしたい

育毛剤どれがいいですか?
f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain
ルシアー駒木です。


浅草橋の当工房も、引っ越しからもう少しで1年。
工房スタッフ全員、皆様に安心して気軽にそして楽しくお越し頂けるように、日々努めております。 

工房内で日々楽器と向き合い、スタッフ皆互いに研鑽を積んでおります。
f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain

でも、、、それだけでは、実際に楽器が使用される場面で実施した作業がどういう結果(音)になっているのか、分からない事も沢山あります。

だからこそ、店舗にお越し下さる皆様との会話は、私達には宝物な訳です。
実際皆さんが弾いてみてどう感じられたのか、お話して初めて分かる訳ですね。
f:id:shimastaff-01:20211011165238j:plain

そしてそれはお付き合いのあるプロミュージシャンとの対話も同様で、
やはり勿論学びの宝庫。
f:id:shimastaff-01:20211011165434j:plain

プロの現場って楽器を良い意味で酷使しますので、私たちの開発楽器・作業後の状態など、楽器の良い面も悪い面も顕在化してきます。
街乗りテストでは分からない新型車の問題点が、サーキットのテスト走行で見えてくる、みたいな感じ。

そして、
実は、
つい先日もそんな場面がありましたので、
是非皆さまにもその様子をご覧頂ければと思います。
f:id:shimastaff-01:20180319111817p:plain
それではご覧ください!


新たな要望

ブログにご登場いただいた時は毎回反響の大きい、
福田洋也さん
twitter.com


洋也さんから少し前にご相談を頂きました。
洋也さんにはHISTORYNT-S3と言うモデルを元にしたカスタムギターを使って頂いているのですが、
このギターは基本的に「ソロギター」として演奏する事を前提に音を作っていったものです。
youtu.be


最近、盟友坂本英三さん
twitter.com
とボーカル&ギターのデュオとして演奏される機会がグッと増えているという事で、「歌モノに合うギター」というテーマでご相談を頂きました。

早速、HISTORYのアコースティック開発責任者であるゴータロー氏とも秘密の相談。

実は、NT-C3と言うモデルをベースにして、音質変化を狙った別タイプのピックアップへの交換や、鳴りや響きをもっと豊かに出来ないだろうかと、内部設計などを見直して製作してみた、まさに《研究開発プロトタイプ》が本社にありまして。
何とも丁度よく(笑)

軽ーく洋也さんに、じつはこんなのが今あるんですけど、、、とお話してみると、、、
それ良さそうじゃん!と。

我々としても、このプロトを「現場で」試せる絶好のチャンス。


早速セットアップをし、試して頂く事に。


、、、ねえ皆さん、この展開、
ブログ的には、これで「そのギターがヒロヤさんに最高の相性で、メインギターになりました、めでたしめでたし」、、、となったら美しいでしょ??
なりそうな感じでしょ?

でもね、
これがならないんです。。。
そんな甘くない。



実は、ある日の配信ライブを拝見して私は青くなっていました。

明らかに音が悪く、低音が不自然にボワーンと耳障りな響きをしており、明らかに「機材側で低音を過剰に上げている」のが原因なのは明白な音でした。
f:id:shimastaff-01:20180319131022p:plain
洋也さんやその日の配信スタッフの方々がそれに気が付いていないとは思えません。
どんな状況だったのだろうと思ったのですが、

配信ライブ後ヒロヤさんにお伺いすると、「低音が全然出ない」と。

要するに楽器側からローが出てこないので、機材で必要以上に上げざるを得なくなったという事だった訳です。
これはいけません。

ギターをお預かり

ギターをお預かりして、
開発のゴータロー氏と共に細かなところまで検証しました。
f:id:shimastaff-01:20211011161442j:plain

数値的な事は勿論、ラインで弾いてみての確認、
f:id:shimastaff-01:20211011161531j:plain

波形での計測、
f:id:shimastaff-01:20211011161703p:plain

そして洋也さんの言葉を思い出して、物理側面・プレイヤー視点での側面、併せて考えていきます。
f:id:shimastaff-01:20211011161508j:plain

急激に激しく鳴らされたことで、我々の思わぬ変化が材に起きていましたし、そもそも音色も大きく変化していました。
f:id:shimastaff-01:20180319131022p:plain

新品のNT-C3とも比較検証します。
f:id:shimastaff-01:20211011165824j:plain




お預けして、弾いて頂いて、それを再度バラしてみてはじめてわかった事実が沢山。
f:id:shimastaff-01:20180319131022p:plain

これは細かな仕上げは絶対に対面で弾いて頂きながら作らないと、最終的なセッティングも上手くいかない予感がします。

そこでピックアップシステムの変更や、内部の音質バランス調整、ナットやサドルの製作など、大掛かりなものや時間を要する作業を工房で済ませた上で、島村楽器のスタジオを押さえて洋也さんにお越しいただき、仕上げる計画にしました。

いざ、待ち合わせの店舗へ!

やってきました。
f:id:shimastaff-01:20211011162623j:plain
島村楽器甲府昭和店

私も日帰り遠征だったので、色々とギリギリだったのですが、
店舗の皆さんが助けてくれました!
f:id:shimastaff-01:20211011162518j:plain
有難い(涙)

店頭には勿論ヒストリーも展開しています!
f:id:shimastaff-01:20211011162605j:plain

洋也さんも到着
f:id:shimastaff-01:20211011162721j:plain

洋也さんには本番でも使用している機材を持ち込んで頂き、まずはアコスのメインにになっているNT-S3 HIROYAカスタムから鳴らしてみます。
f:id:shimastaff-01:20211011163602j:plain

そして同じ機材セッティングのまま、ギターをNT-C3カスタムに
f:id:shimastaff-01:20211011163702j:plain

洋也さんのピッキングが私とは全く違う事は過去のブログでもご紹介していますが、弾いて頂いて初めて感じる事がどんどん出て来ます。

私も現場工具フルで持って来ていますので、
f:id:shimastaff-01:20211011163927j:plain

サドルを変えて試したり、
f:id:shimastaff-01:20211011164427j:plain

ブリッジピンの材質を変えて見たり、
f:id:shimastaff-01:20211011164438j:plain

その都度弾いて試して頂きます。
f:id:shimastaff-01:20211011164503j:plain

最終的はスタジオ内で木工にも手を付けて、音を創っていきました。

f:id:shimastaff-01:20211011164553j:plainf:id:shimastaff-01:20211011170133j:plain

そういえばこんな発見も

今回のやり取りの中では、楽器本体以外の要素でも気付きが沢山ありました。
例えば、、、
搭載しているピックアップは、それ自体を試してもらう意味もあって、メインで使用しているギターのピックアップとは敢えて異なるモデルを搭載してお渡ししたんです。

結果として、お渡ししていた時に搭載していたピックアップシステムからメインギターのNT-S3カスタムでも使用している使い慣れたものに変更する事にはなったのですが、世の平均的なギタリストが試すのでは分からないメリットデメリットが、上記過去ブログでも確認された洋也さんの強靭なピッキングと現場でガンガン使って頂いた事で結果として確認出来た感じ。

正に「サーキットのテスト走行」だからこそ見えたものですね。
いろいろと、開発の参考にもなりました。

一通り、これで行こう!と言えるところまで音を詰めて、フレットの高さをこれで変更して一度試そう、という事にして、この日は終了。

最後に細かな音の事や今後の進め方までをお茶しながらミーティング。
f:id:shimastaff-01:20211011170344j:plain


楽器は再び工房へ

リフレットの為、再度楽器は工房に。

元々のフレットはコレ
f:id:shimastaff-01:20211011170524j:plain

一般的にリフレットの目的は「弾いて減っちゃったから修理として交換」ですが、

今回は「高さの変更」という能動的な目的なので、通常フレットを入れた後で行うすり合わせを極力行わないで済むように、いつも以上に丁寧にフレットを交換していきます。
f:id:shimastaff-01:20211011170745j:plain

元のフレットと比べて頂くと、一目瞭然。
f:id:shimastaff-01:20211011170815j:plain

フレットに合わせて、ナットなども高さを変更する為交換。
f:id:shimastaff-01:20211011171052j:plain

「ひとまず」完成

今回はこれでひと段落ですが、あくまでも「ひとまず」です。
これで現場投入して頂いて、何度もリレーションを繰り返していく事になります。
ある意味で終わりはない作業。
f:id:shimastaff-01:20211011171015j:plain


これは皆さんも同じですよ!
一度工房に預けて戻って来たから終わり!じゃなくて、何度でも細かな詰めをする為に是非遠慮なく何度でも遊びにいらして下さい。

プロとのやり取り同様に、皆さんとも音作りが出来るのを楽しみにしております!!
f:id:shimastaff-01:20211011171301j:plain
お待ちしております!

f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain
ルシアー駒木でした!

その他の「ルシアー駒木のギターよもやま話」を読みたい場合はこちら!

ルシアー駒木のギターよもやま話 その115「東京工房 リニューアル!」

皆さまこんにちは。
最近白湯ブーム到来中
f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain
ルシアー駒木です。


かつて、ギタリスト宮脇敏郎氏に「馬喰町の秘密基地」と言わしめた、東京のギターリペア工房。
出張が多いルシ駒も、行動の拠点はいつも、馬喰町工房でした。
正に秘密基地と呼ぶにふさわしい、小さいけれど設備の揃った、こんなところにこんな場所が!?という工房でした。
f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain
沢山のミュージシャンが遊びに来ても下さいました。


え?なんで急にそんな話をって??
f:id:shimastaff-01:20180319131022p:plain


実は、この度、
工房が移転!!
f:id:shimastaff-01:20180319111817p:plain
浅草橋の駅徒歩1分という場所に、面積を倍ほどに拡大してリニューアルオープンいたしました!
パチパチ >.<

その名も「浅草橋ギター&リペア」!

分かりやすさ1番!!
f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain

早速ご案内いたしましょう!




JR浅草橋駅の西口改札を出たら(地下鉄の方は地上に出てJRのガード沿いに歩いてくるとここにすぐ出ます)、
f:id:shimastaff-01:20201101144545j:plain

左側に出てもらって、
f:id:shimastaff-01:20201101144615j:plain

そこから斜め左に見える路地に向かいます。
f:id:shimastaff-01:20201101144702j:plain

すると路地の先にセブンイレブンがありますので、
f:id:shimastaff-01:20201101144722j:plain

その脇を左に入ります。
f:id:shimastaff-01:20201101144743j:plain

セブンイレブンの隣のビルにオレンジの看板が見えます。
f:id:shimastaff-01:20201122001815j:plain
歩いていくと、、、
f:id:shimastaff-01:20201122001904j:plain

着きました。
f:id:shimastaff-01:20201122001954j:plain

近っ!!
実際1分もかからないくらい(笑)
超好立地です。


1Fは店舗になっております。
入ってみましょう!
f:id:shimastaff-01:20201122002052j:plain
良い雰囲気。
f:id:shimastaff-01:20201122002151j:plain
f:id:shimastaff-01:20201122002233j:plain


国内でも当工房でしか試せない希少な楽器を展示しています。
ルシ駒がオープンに合わせてご用意したのは、ルシ駒のイメージにもなっているかもしれませんね、とっておきのJIMMYWALLACE&ビンテージギター!!
f:id:shimastaff-01:20201122002308j:plain
今後も買い付け品など、希少なものを揃えて参りたいと思っております!
リペアのご相談も勿論どうぞ!
f:id:shimastaff-01:20180319111817p:plain


2Fはメインの作業スペース。各人1台の作業台。
f:id:shimastaff-01:20201122002412j:plain
綺麗でしょ!

そして奥にはバフ機とボール盤、万力付きの作業台を設置してあります。
f:id:shimastaff-01:20201122002510j:plain
f:id:shimastaff-01:20201122002534j:plain
機械類は今回移転に合わせてメンテナンスし配置。


3Fは倉庫スペースですが、
ケースにも傷がつかないように、1本毎に仕切られ、全ての個体がPC管理されております。
f:id:shimastaff-01:20201122002705j:plain


3F奥にはミュージシャンの皆さまとミーティング可能な空間&休憩室。
f:id:shimastaff-01:20201122002741j:plain
作業台も完備し、ミュージシャンの方と打ち合わせしながらその場で作業可能
開発中のサンプル検証や、買い付け楽器の検品、撮影等も出来るようにしております。


そして4Fには塗装設備を配置。
f:id:shimastaff-01:20201122002938j:plain
ブースは2基。
f:id:shimastaff-01:20201122002959j:plain
凄いでしょ!
簡易的なブースでは良い作業は出来ません。
見よ!この局所排気装置設備のすばらしさ!
f:id:shimastaff-01:20201122003129j:plain
勿論、労働基準監督署&消防の許可をきちんと受けた設備です。

乾燥室も完備。
f:id:shimastaff-01:20201122003231j:plain



大型機械も4Fの別室に設置。
f:id:shimastaff-01:20201122003256j:plain
工房スタッフの健康にも留意し集塵装置も万全です。
f:id:shimastaff-01:20201122003456j:plain


いかがですか??
f:id:shimastaff-01:20180319111817p:plain

実は、新装開店なので、
ミュージシャンの皆さんに貸し出す前提で確保していたとっておきのJIMMY数本と、
f:id:shimastaff-01:20201122003942j:plain
ルシ駒が隠し持っていたピックアップ
f:id:shimastaff-01:20201122004011j:plain
展示しております。
これは完全に早い者勝ち!!!!!

大急ぎで浅草橋へGO!!!

f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain
ルシアー駒木でした!

その他の「ルシアー駒木のギターよもやま話」を読みたい場合はこちら!

ルシアー駒木のギターよもやま話 その112「ツアー先から衝撃の連絡 その2 リペア」

皆さまこんにちは。
この年になってようやく若いころに日焼け止め使っておけば良かったと思うようになった、
f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain
ルシアー駒木です。
紫外線、怖い怖い。

衝撃の連絡から全てが始まった前回

前回、ツアー先から「ネックにヒビが!」という緊急連絡を受け、島村チームの連係プレーで無事ギターチェンジとなりました、梢枝さんのメインギター。

折れたメインギターを確認してみたら、ヒビではなくシッカリ折れていた(変な言い方ですけど)、という前回のブログ。


今回はその続き、修理の様子をご覧いただきます。
f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain

まずは状態確認から

まずはとりあえず、通常のネック折れのセオリー通りに、クランプで仮止めしてみます、、、が、
f:id:shimastaff-01:20180319131022p:plain
うーん、上手くいきません。
f:id:shimastaff-01:20200804102556j:plain



過去のブログでご覧いただいております通り、
ネック折れの多くは、ネックとヘッドの継ぎ目になる角度の付いた部分が折れます。

ところが、今回の折れ方はその定番パターンよりも折れの中心がヘッドから遠く、角度のない「グリップ部分」で折れています。
その上、その範囲が広く、指板近くまで割れています。

その為、クランプを締めると、ネックを潰すような感じで力が掛かり、割れの中心はよいのですが、それと引き換えに、クランプからは遠い指板に近いところに、木材のずれが出てしまう訳です。

さてどうする?

そこで今回は、割れの中心は押さえつけるようにクランプ固定しつつ、指板近くに割れの広がった周囲は、ネック中心に向かって締め付けるような固定をしてみました。
f:id:shimastaff-01:20200803181444j:plain

f:id:shimastaff-01:20180319111817p:plain
今度は良さそうです。

油紙で工具や治具の固着を防ぎながら、接着です。
f:id:shimastaff-01:20200803181551j:plain

f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain

翌日

クランプを外してみると、
f:id:shimastaff-01:20200804133343j:plain

上手くいきましたね。

正直このまま塗装修正しても、ほぼ割れたことが分からないレベルで仕上がりそうです。
f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain

ご自宅で演奏される事が中心のお客様所有であれば、修理予算によっては、そのまま割れ目の塗装補修だけで完成という形も良いと思います。

ですが、これは今後も過酷なツアーが待っている楽器。
振動がかかる輸送などで再発のリスクがあるのはもってのほかですし、であれば、むしろ修理前よりも丈夫に仕上げて返すのがプロの仕事。


当て木には質の良いマホガニーを選びました。
f:id:shimastaff-01:20200804134746j:plain


折れの修理自体は過去何度か既出の内容なので、サラッと割愛します笑
f:id:shimastaff-01:20200804135017j:plain
狙い通り完璧です。

機械で粗削りして、、、
f:id:shimastaff-01:20200806175852j:plain:w450

手作業で成型していきます。
f:id:shimastaff-01:20200806180107j:plain
この作業、同業者コミュニティで話をすると、カンナや小刀を使う人が多いみたいですね。
私はノミが好きです。
f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain

仕上げは手作りの小刀で
f:id:shimastaff-01:20200806180041j:plain


周囲の塗料を剥がしながら仕上げていきます。
f:id:shimastaff-01:20200806180323j:plain

ここから塗装に入ります

まずは下準備~下地の塗装を。

f:id:shimastaff-01:20200806180428j:plain
f:id:shimastaff-01:20200806180455j:plain
f:id:shimastaff-01:20200806180521j:plainf:id:shimastaff-01:20200806180556j:plain

写真だと簡単そうだな(笑)

f:id:shimastaff-01:20200815180046j:plainf:id:shimastaff-01:20200815180020j:plain

順調順調

f:id:shimastaff-01:20200815180133j:plain

ルシ駒の悩み

着色前の磨きまで来たところで、悩みました、ルシ駒。
以前もご紹介しましたが、私はタッチアップが結構好き。

私の技術を以てすれば、こんな感じの
f:id:shimastaff-01:20200815180248j:plain
ところからでも、

こんな感じにまで
f:id:shimastaff-01:20200815180311j:plain
木目を書いて、修理した事自体を分からなく隠してしまう自信はあります。

が、今回はアーティストさんの楽器ですから、このネック折れも、ある意味過酷なツアーの証。勲章みたいなものですよね。
なら「直した事が分かる仕上げ」もそれはそれで意味があるなあ。。。と。
でもそのままはカッコ悪い。

なので、今回は、
f:id:shimastaff-01:20200815180442j:plain
ボディと同色で塗る事にしました。

仕上げは見た目と、梢枝さんの弾き方に合った触り心地を兼ねる為、70%つや消しで。
f:id:shimastaff-01:20200821144311j:plain:w450

組み込み工程へ


前回ブログの冒頭部分で、
「その7月のライブにお邪魔した際に、実は追加でいくつかセッティングの希望がありまして、現場でよりもお預かりして工房で行った方が良い内容でしたので、すぐにパーツの手配などして、お預かりする準備をしておりました。」
と書いていたのですが、
その新たなパーツがここで登場!!

f:id:shimastaff-01:20200828150949j:plain

どうですか?このマシンヘッド、メチャカッコ良くないですか??
f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain

サドルやピンも、
ここ何回かのサポート👇


の時に梢枝さんとお話しできた内容を加味して、細かく仕上げていきます。

f:id:shimastaff-01:20200828151411j:plain


完成です!
f:id:shimastaff-01:20200830174013j:plain

皆さんに、日々かりさんの歌声と共にこのギターの音を体感して欲しい!

f:id:shimastaff-01:20200830174524j:plain

日々かりさんは現在ツアー真っ最中!
HISTORYでの素晴らしい演奏を皆さん生で是非体感してみて下さい!
日々かりさんのライブスケジュールはこちら⇓
hibikari.com

皆さんヒストリーのアコースティック、興味あったら弾いてみてね!

f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain
ルシアー駒木でした!

その他の「ルシアー駒木のギターよもやま話」を読みたい場合はこちら!

ルシアー駒木のギターよもやま話 その111「ツアー先から衝撃の連絡」

みなさまこんにちは。

バナナを買うと、
シュガースポット出るまで待ちたい、でも待てずに今食べたい、待ちたい、食べたい、
の葛藤と毎回戦っている、

ルシアー駒木です。
f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain


特に意図した事ではないのですが、最近身の回りのトピックスがアーティスト系や買い付けの話など「リペア以外の話題」になる事が多く、必然的にリペア作業をお見せする機会が減っておりました。

「ルシ駒さん、リペアの記事もまた読みたいです!」という嬉しいお言葉も届いてきまして、そうだな、また作業風景何か撮ろうかな、、、

なんて思っていたルシ駒。

そんな矢先に事件勃発!
早速ご覧頂きたいと思います。


ある夜の衝撃連絡

前回のブログでライブ活動が再開された様子をご覧頂き、未編集であの歌の上手さ!スゴ!!、と好評頂いておりました、
日々かりさん。

その7月のライブにお邪魔した際に、実は追加でいくつかセッティングの希望がありまして、現場でよりもお預かりして工房で行った方が良い内容でしたので、すぐにパーツの手配などして、お預かりする準備をしておりました。
f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain


そんな7月30日の夜の事でした。
帰宅し子供と戯れていた私の元に、
衝撃のメッセージが梢枝さんから届きます。

ルシ駒さん、ネックにヒビが!!

(゚д゚)!
大変だああ


気が付いたらヒビが入っていた、との事。
その時点で緊急入院は必至です。
f:id:shimastaff-01:20180319131022p:plain

ルシ駒はすぐにお伝えした訳ですよ。
「梢枝さん!をすぐ緩めて下さい。弾くのを止めて、サブギターのJamesを明日からのライブでは使って下さい!!」

しかしそこで菊Pさんから更なる衝撃のお言葉。

ルシ駒さん、今回荷物の都合で、James君は持ってきていないんです。。。

Σ(゚д゚lll)ガーン

とりあえずを張ってもチューニングとか安定しているんで、、、9月まではこのまま使うしか、、、

ううむ。
現状が張れている、と言う事は、ボッキリといっている訳ではなく、お二人からはおそらくクラックが入ってはいても一見軽傷に見える感じなのでしょう。

ですが、ギターのはチューニング状態で50キロ前後の張力がかかっています。梢枝さんのは少し細めですが、それでも45キロを軽く超えます。

このまま弾き続けたら、確実にとどめを刺すことに。。。どこかの会場で、演奏中にボキーン!と逝ってしまう可能性大です。

f:id:shimastaff-01:20180319131022p:plain
そうなったら、その日のライブはそれ以降、梢枝さんも歌の内容に感情を乗せられなくなってしまうでしょうし、お客様もその後の演奏を純粋に楽しめなくなってしまいます。

何とかせねばなりません。

とはいえ、今(夜です)は何も出来ません。
とりあえず梢枝さんに「とにかく今はを緩めておいて下さい」とだけ伝え、翌日に出来る対応策を何パターンか考えながら眠りにつきました。

島村楽器の連携プレー

f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain
翌日、私が朝イチで連絡したのは、開発を担当しているゴータロー氏。
今回折れたメインギター選定の様子をブログでご紹介した時に、納品時写真で
梢枝さんの隣に写っていた男です。
f:id:shimastaff-01:20200803172610j:plain:w400

ゴータロー、実はギターの知識はかなりのもの。Historyアコースティック開発の中心を担う凄い人なんです。

「ゴータローさん、梢枝さんのギター、ネック折れしちゃったみたいなんです。」
ここまで話すと、ゴータロー氏全てを察し、
「ルシ駒君、では直ぐに1本用意しましょう!」

流石です。
これで私が考えていた「他の対応パターン」は不要となりました。
f:id:shimastaff-01:20180319111639p:plain


日々かりのお二人は東北ツアー中。
そこで、島村楽器の秋田店と連携を取り、秋田店で楽器の入れ替えをお願いしました。


その時の様子は、日々かりのお二人が動画に残して下さっています。
楽器入れ替えの様子は5分30秒くらいからですが、面白い動画なので是非最初から( ´艸`)
youtu.be



「ルシ駒さん、無事受け取りました~」の連絡で、ようやくホットしたルシ駒でした。
f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain


いよいよルシ駒の出番です


私の技術者としての仕事はここからです。
f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain

翌日、秋田店から工房にメインギターが届きました。
f:id:shimastaff-01:20200803173605j:plain


正面からは何も異状なく見えます、、、が内心ドキドキ
f:id:shimastaff-01:20200803173647j:plain


恐る恐る見てみると、、、

f:id:shimastaff-01:20200803173747j:plain

おおう。。。
(;^ω^)

ちゃんと確認してみよう。
f:id:shimastaff-01:20200803173847j:plain

確かにぱっと見はヒビだけのようにも見えます。
ですが、結構広範囲に広がっていますね
f:id:shimastaff-01:20200803173933j:plain


パーツやナットを外して、、、
f:id:shimastaff-01:20200803174100j:plain


手で軽く力を加えてみると
f:id:shimastaff-01:20200803174141j:plain
割と簡単に割れは広がりました。

全然「ヒビ」で済んでないですね(苦笑)
完全に折れています。

直ぐに緩めてもらって良かった。。。
このまま弾き続ける状況にならずに済んで良かった。


過去ブログでもネック折れは取り上げてきましたが、今回は広範囲ですし、横の方にもクラックが広がっています。

さて、どう直しましょうか!
いよいよ次回作業の様子をご覧いただきます!

皆さまこうご期待!!
f:id:shimastaff-01:20180319131049p:plain
ルシアー駒木でした!

その他の「ルシアー駒木のギターよもやま話」を読みたい場合はこちら!

ルシアー駒木のギターよもやま話 その109「実は店頭リペアブース増えていました!」

皆さまこんにちは。

殆どのマスクはサイズが足りない
ルシアー駒木です。
f:id:shimastaff-01:20180405161249p:plain

未だ世界中がその影響を受け続けているコロナウイルスの流行。
日本でも特に4~6月の間は様々な業種が営業自粛による休業となりました。
f:id:shimastaff-01:20180319131022p:plain

島村楽器でも店舗ごとに期間は異なりましたが、営業を自粛していた訳です。

ここで発表。
実はその直前、3月1日から、島村楽器立川店に新しくリペアブースを設置、常駐リペアマンを配属しておりました。

3月頭にオープンし、整備が一通り済んで、お客様に来て頂ける体制が整ったら、そのタイミングで私のブログでも紹介しようかな、、、と思っていた矢先、コロナ自粛だった訳です。

先頃、店舗は感染防止対策を万全にした上で、無事営業を再開。
そしてそのタイミングで、ブースを店内で移設し、心機一転再スタートしました。
満を持して、紹介させて頂こうと思います。
f:id:shimastaff-01:20180319111817p:plain




やってまいりました、立川駅。
f:id:shimastaff-01:20200721115222j:plain


折角ですので、改札から皆さまをご案内しましょう。
改札を出たら、北口へ向かいます。
f:id:shimastaff-01:20200721115616j:plain

そのまま北口のペデストリアンデッキへ。
f:id:shimastaff-01:20200721115729j:plain

左斜め前に見えるエスカレーターを下ります。
f:id:shimastaff-01:20200721115814j:plain:w300

あとはそのまま道なりに行けば、1分とかからず、
f:id:shimastaff-01:20200721120338j:plain
f:id:shimastaff-01:20200721115930j:plain:w300
到着です。

エレベーターorエスカレーターで7階までお上がりください。

f:id:shimastaff-01:20200721124302j:plain
綺麗で広い店内。

今回の目的地は、店の奥です。

ギターコーナーを抜けて行くと、、、
f:id:shimastaff-01:20200721124453j:plain
f:id:shimastaff-01:20200721124611j:plain


奥の方で作業しているのが見えてきました。
f:id:shimastaff-01:20200721124702j:plain


常駐のリペアマン、岡さんです!
f:id:shimastaff-01:20200721124823j:plain

ブース脇にはお勧めのパーツ達が。
f:id:shimastaff-01:20200721124910j:plain

岡さんお勧めのギターには、コメントも付いていました!
f:id:shimastaff-01:20200721125016j:plain


岡さん、岡さんの今ならこれ!って1本、教えてよ
f:id:shimastaff-01:20180319111817p:plain

「ルシ駒さん、今のお勧めはズバリこれですね!!」
f:id:shimastaff-01:20200721125202j:plain
これルシ駒の買い付け品だね!
「そうです!これ鳴らした瞬間凄いの分かりますよね!」
そうそう。今正直ルシ駒的にはフェンダーは全部をお勧めしてないんだけど、これは個体として良かったんで買い付けたんだよ。
本音を言えば、これにJIMMY載せてしまいたい(笑)
「それ分かります!絶対合いますよね!」

今なら皆さん試奏可能ですよ!
f:id:shimastaff-01:20200721125613j:plain
f:id:shimastaff-01:20180319111817p:plain

密を避ける為にも、
是非、岡さんに一報入れて頂いた上で、遊びにいらしてくださいね!

ルシアー駒木でした。
f:id:shimastaff-01:20180405161249p:plain

その他の「ルシアー駒木のギターよもやま話」を読みたい場合はこちら!

© Shimamura Music All rights reserved.